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2013年07月11日

妄恋575交心『 秘したるも魅惑に揺らぐみどりの夜 』


★ 。・。・゜♪゜・。・。★ 万葉集を遊ぶ交心 ★ 。・。・゜♪゜・。・。★





★ 妄恋575交心v13t062608

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秘したるも魅惑に揺らぐみどりの夜

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 > 万葉集03ー0390v01 譬喩歌 紀皇女の御歌一首
   軽池之 汭廻徃轉留 鴨尚尓 玉藻乃於丹 獨宿名久二
   軽の池の浦廻うらみ行き廻みる鴨すらに玉藻の上にひとり寝なくに   


 万葉集に開放的な性の歌は多いのですけれど、紀皇女のこの歌に勝る性の賛歌はないだろうといわれているそうです。
 あの軽の池の周りを遊び廻っている鴨でさえも美しい藻の上で独り寝をするものはいないというのに、どうしてこの私が独り寝しなければならないの。私は独り寝なんかするものですか、と男を欲しがる歌を詠んでいるんです。

 万葉果には隠し言葉がいっぱい潜んでいるのですから、その隠し言葉を探すのも謎解き遊びの面白さなんですよ。
 「軽池」には文字通り「軽の皇子」文武天皇が匂います。
 当時文武天皇は不比等の企みで藤原宮子にぞっこん御のぼせ中なんです。
 軽の皇子の最初の添い臥し女は紀皇女だったのですけれどね・・・
 そんな文武天皇を怨んで、あなたは今も玉の褥で抱き合っているのでしょう。放っておかれる私だって男に抱かれて熱い夜を過ごしたいわよ、と密会宣言をしているのです。

 同じ異母兄の弓削皇子にも誘惑の手を伸ばしたのかも知れませんね。当時は異母兄妹の恋愛は当たり前のことだったのです。仲良しこよしの親しみが恋愛感情になるのは自然のことなんでしょうね・・・
 弓削の皇子は紀皇女の魅力の虜になってしまいました。

 大津皇子は草壁皇子の愛人と密会して持統天皇に殺されました。
 持統天皇は持統王朝の樹立を邪魔する人間は容赦なく抹殺してきました。
 持統天皇の鋭い観察眼は、今や、弓削皇子に向けられていたのです。弓削皇子の命危うし、なんですね。

 弓削の皇子が命の危険も顧みないほど紀皇女は魅惑的だったのでしょう。
 現代の女性でもこんなに開放的な、享楽賛美の歌を詠める人はいないでしょう。日本の恋は<秘すれば花なり。秘せずは花なるべからず>の秘め事美学のなかにあるのでしょうね。万葉集の恋は庶民も大らかですけれど、王朝貴族の恋はわがまま放題のプライドと遊び心があるようです。
 紀皇女は天武天皇の皇女ですから、思いのままに生きる自遊さをもっていたのでしょう。そしてまた美しい女人だったのでしょう。軽皇子の添い臥し女ですから女としても洗練された性愛を仕込まれてきたのかもしれませんね・・・


 > 万葉集02ー0190 吾妹兒尓  戀乍不有者  秋芽之  咲而散去流  花尓有猿尾
   我妹子に恋ひつつあらずは秋萩の咲きて散りぬる花にあらましを 


 あなたをこんなにも恋してしまった。この恋が叶えられないならば、咲いては散ってしまう秋萩のようにわたしも花となって死んだ方がいい、と激しく心情吐露をしている歌です。
 「弓削皇子思紀皇女御謌四首」の中の二番目の歌ですけれど、文武朝三年699年に、なぜか26才くらいの若さで亡くなっています。弓削皇子も天武天皇の皇子ですから、状況的には次期天皇の有力な候補です。その弓削皇子がさぁ大変文武天皇の后の紀皇女に恋をしてしまったのです。紀皇女は異母兄妹ですけれど、これは一大スキャンダルでしょう。


万葉集02ー0130 長皇子与皇弟御歌一首 
 丹生乃河 瀬者不渡而 由久遊久登 恋痛吾弟 乞通来祢
丹生の河瀬は渡らずてゆくゆくと恋痛きわが背いで通ひ来ね


 大津皇子の悲劇を見てきた友人の長皇子は皇弟の弓削皇子に死ぬことはないよという救助の歌を詠んでいます。
 悲劇は宿命のように創りだされていくのでしょうね・・・


 謎解き拾い読みに嵌ったら脱出不能の状態です。
 恋の陥穽に嵌っても脱出不能ですね。
 凡愚不能老仁の言葉恋遊びは不毛ですから、その気になればいつでも時空転換できるから好いのですけれどね。





 秘したるも魅惑に揺らぐみどりの夜   仁


 老いの幹にも狂い花咲け






★ 。・。・゜♪゜・。・。★ 都々逸で交心 ★ 。・。・゜♪゜・。・。★





☆☆☆ 唯呼さんの『 恋気配♪~ 』 への都々逸交心です。 ☆☆☆
 





★ 都々逸で交心v13t062601

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めくる一枚心も咲ける 濡るる雨夜の乱れ髪

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 > ・ こんな雨夜にゃきっと来る筈
               めくる一枚 恋気配~   唯


     めくる一枚心も咲ける
                濡るる雨夜の乱れ髪   仁


                ぬしに焦がれてほとめく芯の
     せつなく清し精交り   仁


     恋の気配に心も澄みて
                娘心に涙する   仁













 夢に幻る銀河の果ての魂交じり   仁


 念じ銀河も手繰り寄せける


 妄想都都逸遊びもらいます。
 Happy気分に酔わせてくださいね。


                徒花も咲け独り酒酌む
      外は土砂降り梅雨ごもり   仁


 独り酒徒花も咲け梅雨ごもり   仁


 幻に添う妖女もありき





★ 。・。・゜♪゜・。・。★ 青柳仁リンク ★ 。・。・゜♪゜・。・。★



★★★ 優游575交心v13t062403『 面影に黒髪を梳く合歓の花 』 へどうぞ!!! ★★★
 


★★★ 万葉集を遊ぶ交心v13t061606『 一茶忌を姦しきほど鳴く蛙 』 へどうぞ!!! ★★★
 



★ 。・。・゜♪゜・。・。★ そのまんま575で交心 ★ 。・。・゜♪゜・。・。★


  


Posted by 青柳仁 at 20:12Comments(0)弓削皇子

2013年07月10日

『 あたしゃなんでも燃え尽きるのよ 生半可など寄せはせぬ 』

★ 。・。・゜♪゜・。・。★ 万葉集をあそぶ交心 ★ 。・。・゜♪゜・。・。★





★ 妄恋575v13s071006

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今生は不倫禁足白木槿

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万葉集02ー0122 大船の はつる泊の たゆたひに 物思ひやせぬ 人の子ゆえに  弓削皇子


 【仁訳】 船が港に停泊して揺れつづけるように、わたしもあの人のことを思うたびに、思い悩み揺れつづけてきてしまったよ。人の妻を恋してしまったばかりにこんなにも痩せてしまったのに、まだ思いきることもできないでいる。このまま愛しつづければ、殺されるかもしれないというのに。


 紀皇女は自由奔放な女性だったというのを紀皇女の歌で想像してみますけれど、万葉集には二つしか掲載されていません。


 万葉集03ー0390 軽の池の浦廻ウラミ行き廻ミる鴨すらに玉藻の上にひとり寝なくに   紀皇女


 万葉集12ー3098 おのれゆゑ詈らえて居ればあお馬の面高夫駄に乗りて来るべし   紀皇女


★★★ 優游575交心『 青梅雨の青のくさみに戻らする 』 へどうぞ!!! ★★★
 


 弓削皇子の111番の歌で想像できるような女性であれば、性の奔放さ故に、『日本書紀』には記述されることなく闇の人にされてしまったのでしょう。天武天皇の皇女でありながら『日本書紀』に記載されないのは不名誉な事実を持っていたからでしょう。
 文武天皇の后でありながら不倫の恋をいくつも遊んでいる紀皇女の事跡は抹消するしかなかったのでしょうね・・・

 額田王もあれだけの実績を残しながら『日本書紀』に名前もあがらないのは藤原政権に不都合な存在だったからなのでしょう・・・
 その額田王に恋の相談をしたのが弓削皇子の111番歌だったのでした。


 今生は不倫禁足白木槿   仁


 無漏路の恋に禁足はなし


 あるいは紀皇女を抹消しなければ、文武天皇の正妃として紀皇女が居坐ってしまうと、今は宮子にぞっこん惚れ込んでいる文武天皇もまた紀皇女の魅惑の虜になってしまうかもしれません。藤原不比等は紀皇女を妃の地位からも排斥したのでしょう。


 弓削皇子を生きるべきか死ぬべきかで恋に悩み苦しめ、痩せ衰えさせた紀皇女がどんなに魅惑的な女性であったのか想像力を掻き立てられますね。
 妄恋言葉あそびで紀皇女の恋を遊んでみたくなります。
 女の魔力を知り尽くしていた不比等は、不比等戦略の最大の武器として活用したんです。
 己自身の性も最大活用したのでしょうけれど・・・


 突きぬけて天上の恋花海棠   仁


 悲恋の罪の花咲かせ魔女


 その紀皇女の魅惑に増して、文武天皇を魅惑の虜にした藤原宮子はおそらく不比等によって徹底的に教育調教された美姫だったのでしょうね・・・





★ 。・。・゜♪゜・。・。★ 都々逸で交心 ★ 。・。・゜♪゜・。・。★








★ 都々逸で交心v13t062503

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あたしゃなんでも燃え尽きるのよ

生半可など寄せはせぬ   仁

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 > ・ よせよ云われりゃ愛しい人よ
          あたしゃなんでも聴くわいな~   唯呼


          あたしゃなんでも燃え尽きるのよ
     生半可など寄せはせぬ   仁


 今のままの師匠で最高ですよ。
 在るがまんまの素直さが開かれていて活き活き躍動しています。師匠自身は全力投球でしょうけれど、これと決めたら拘らない寛容さがうらやましい。
 鄙老仁は江戸っ子というのを知りませんけれど、粋っていうのは、師匠のような気風をいうのでしょうね。身についたお洒落がすてきです。


     生な女を突きぬけて
           自遊気ままがまんま粋   仁


           一喜一憂袂に入れて
     惚れたあんたに紐を解く   仁


 桐の花迷いは恋の余計者   仁


 念じるままに唯驀地


 ただただ唯礼賛、ご寛容ください。





★ 。・。・゜♪゜・。・。★ 青柳仁リンク ★ 。・。・゜♪゜・。・。★



★★★ 言葉あそび575交心v13s070901『 謄謄と襤褸着て歩く水田縁り 』 へどうぞ!!! ★★★
 


★★★ 都々逸で交心v13t062303『 粋な女の心の彩は おまえならでは生きられぬ 』 へどうぞ!!! ★★★
 



★ 。・。・゜♪゜・。・。★ そのまんま575で交心 ★ 。・。・゜♪゜・。・。★

  


Posted by 青柳仁 at 23:19Comments(0)弓削皇子