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2013年07月16日

万葉集を遊ぶ交心『 愛在れば神の加護在り夏の森 』



★ 。・。・゜♪゜・。・。★ 万葉集を遊ぶ交心 ★ 。・。・゜♪゜・。・。★







★ 万葉集を遊ぶ交心v13t061204

――♪♪♪♪―――――――――――――♪♪♪♪――

愛在れば神の加護在り夏の森

――♪♪♪♪―――――――――――――♪♪♪♪――






 雲人さん、いつも交心とサポートありがとうございます。
 心読みのプロの雲天さんに読んでもらえるほどの額田王の愛など探る力量は凡愚老仁には毛頭もありませんけれど、幼稚な言葉遊びの児戯で楽しませてもらいます。
 笑って蹴飛ばしてもらえるとさらに励みになります。
 誰が読んでも黙殺されるのが常ですから、それでもひとり遊びさせてもらいますけれど・・・


 愛一つ野の百合に見て呵々大笑   仁


 悲劇の人のこの世に多し


 > 万葉集02ー0141 磐白の 濱松が枝を 引き結び 真幸く有らば 亦還り見む   河童老訓


万葉集の巻二は0141から0234までの挽歌が0085から0140までの相聞につづきますが、有馬皇子の歌二首がその最初です。

 有馬皇子の悲劇は、紀伊の牟婁の湯で起こりますが、何故「紀伊の牟婁の湯」なのかということに政治的背景と斉明天皇のアキレス腱が隠れているようです。
 そもそも事の発端は「乙巳の変」と呼ばれている中大兄皇子と中臣鎌足のクーデターにあるんです。中大兄皇子は日本書紀では悪の権化としての独裁者蘇我入鹿を天誅する政治改革者として登場しました。入鹿暗殺は劇画風に達成されます。正義は中大兄皇子にありというわけです。
 しかしその真相は謎で、その内実は藪の中なんですね。

 唐と韓半島の政治情勢と大和朝廷内の政治情勢が検証されないと勝てば官軍の歴史が正統性を持つという呪縛から解放されることはないのでしょう。
 浅学無知の凡愚鄙老仁に検証できる力量などあるはずはありません。
 それでも知る楽しみは尽きませんから、楽しみとしてあれこれ拾い読みをして、好奇心全開、あとは、悪い性癖の言葉あそびで、こんな風にも考えられるのではないかという空想的推理を楽しませてもらうんです。


 悲劇の有馬皇子の万葉集0141版の歌も、呪詛の禊ぎとして、有馬皇子が詠んだのではないかと想像してみました。
 謀反の科で処刑された有馬皇子が何故<紀伊の牟婁の湯>に連行されたのか?

 その状況の中にその因果と有馬皇子の救命の一筋の希望が祈念されているように思われます。
 まだ僅か19才の有馬皇子の悲劇です。

 有馬皇子を救う愛はないのか?


 有馬皇子はその愛を斉明天皇に求めたのではなかったでしょうか・・・
 愛は斉明天皇のアキレス腱なのです。


 当時の宮廷人も人々も、誰もが、有馬皇子の無実を知っていたはずだといいます。
 中大兄皇子の陰謀がなければ、当然のこととして、有馬皇子が孝徳天皇の後を継承するんでしょう。有馬皇子に同情する勢力もまだかなり残っているはずです。

 額田王はこの悲劇にどう向き合っていたのでしょうね・・・
 つづいて晩年には、娘の十市皇女の悲劇が待っているんです。


 夏の夜の夢に陽狂の友となる   仁


 神々に身を譲り渡しぬ


 神々に身を譲り渡した有馬皇子はまだ神々と共にある斉明天皇に一端救われますけれど、逸れも見越した上での中大兄皇子は、シナリオ通り有馬皇子を絞首刑にして禍根を断ちました。
 蘇我入鹿が怨霊になったように、有馬皇子も怨霊になって天智天皇に祟っているのでしょうね・・・
 悪人は怨霊にならないといいますから、蘇我入鹿も有馬皇子も無実だったのでしょう。
 悪人は長生きするともいいますけれど、天智天皇は46才で暗殺されたともいいます。因果応報というのもある世の中なんですね・・・


 愛在れば神の加護在り夏の森   仁


 神は鬼にも邪にもなるなり


 人神なれば命も奪う



 雲人さん、笑殺してくださいね。
 おやすみなさい。





★ 。・。・゜♪゜・。・。★ 青柳仁リンク ★ 。・。・゜♪゜・。・。★



★★★ 都々逸で交心v13s071402『 抱かるる念いこの切なさを 閻魔さんなら燃やせるか 』 へどうぞ!!! ★★★
 


★★★ 言葉あそび575交心v13s070803『 いくばくの余命しみじみ明けやすし 』 へどうぞ!!! ★★★
 



★ 。・。・゜♪゜・。・。★ そのまんま575で交心 ★ 。・。・゜♪゜・。・。★



  


Posted by 青柳仁 at 15:23Comments(0)有馬皇子

2013年07月11日

妄恋575交心『 秘したるも魅惑に揺らぐみどりの夜 』


★ 。・。・゜♪゜・。・。★ 万葉集を遊ぶ交心 ★ 。・。・゜♪゜・。・。★





★ 妄恋575交心v13t062608

――★♪♪★―――――――――――――★♪♪★――

秘したるも魅惑に揺らぐみどりの夜

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 > 万葉集03ー0390v01 譬喩歌 紀皇女の御歌一首
   軽池之 汭廻徃轉留 鴨尚尓 玉藻乃於丹 獨宿名久二
   軽の池の浦廻うらみ行き廻みる鴨すらに玉藻の上にひとり寝なくに   


 万葉集に開放的な性の歌は多いのですけれど、紀皇女のこの歌に勝る性の賛歌はないだろうといわれているそうです。
 あの軽の池の周りを遊び廻っている鴨でさえも美しい藻の上で独り寝をするものはいないというのに、どうしてこの私が独り寝しなければならないの。私は独り寝なんかするものですか、と男を欲しがる歌を詠んでいるんです。

 万葉果には隠し言葉がいっぱい潜んでいるのですから、その隠し言葉を探すのも謎解き遊びの面白さなんですよ。
 「軽池」には文字通り「軽の皇子」文武天皇が匂います。
 当時文武天皇は不比等の企みで藤原宮子にぞっこん御のぼせ中なんです。
 軽の皇子の最初の添い臥し女は紀皇女だったのですけれどね・・・
 そんな文武天皇を怨んで、あなたは今も玉の褥で抱き合っているのでしょう。放っておかれる私だって男に抱かれて熱い夜を過ごしたいわよ、と密会宣言をしているのです。

 同じ異母兄の弓削皇子にも誘惑の手を伸ばしたのかも知れませんね。当時は異母兄妹の恋愛は当たり前のことだったのです。仲良しこよしの親しみが恋愛感情になるのは自然のことなんでしょうね・・・
 弓削の皇子は紀皇女の魅力の虜になってしまいました。

 大津皇子は草壁皇子の愛人と密会して持統天皇に殺されました。
 持統天皇は持統王朝の樹立を邪魔する人間は容赦なく抹殺してきました。
 持統天皇の鋭い観察眼は、今や、弓削皇子に向けられていたのです。弓削皇子の命危うし、なんですね。

 弓削の皇子が命の危険も顧みないほど紀皇女は魅惑的だったのでしょう。
 現代の女性でもこんなに開放的な、享楽賛美の歌を詠める人はいないでしょう。日本の恋は<秘すれば花なり。秘せずは花なるべからず>の秘め事美学のなかにあるのでしょうね。万葉集の恋は庶民も大らかですけれど、王朝貴族の恋はわがまま放題のプライドと遊び心があるようです。
 紀皇女は天武天皇の皇女ですから、思いのままに生きる自遊さをもっていたのでしょう。そしてまた美しい女人だったのでしょう。軽皇子の添い臥し女ですから女としても洗練された性愛を仕込まれてきたのかもしれませんね・・・


 > 万葉集02ー0190 吾妹兒尓  戀乍不有者  秋芽之  咲而散去流  花尓有猿尾
   我妹子に恋ひつつあらずは秋萩の咲きて散りぬる花にあらましを 


 あなたをこんなにも恋してしまった。この恋が叶えられないならば、咲いては散ってしまう秋萩のようにわたしも花となって死んだ方がいい、と激しく心情吐露をしている歌です。
 「弓削皇子思紀皇女御謌四首」の中の二番目の歌ですけれど、文武朝三年699年に、なぜか26才くらいの若さで亡くなっています。弓削皇子も天武天皇の皇子ですから、状況的には次期天皇の有力な候補です。その弓削皇子がさぁ大変文武天皇の后の紀皇女に恋をしてしまったのです。紀皇女は異母兄妹ですけれど、これは一大スキャンダルでしょう。


万葉集02ー0130 長皇子与皇弟御歌一首 
 丹生乃河 瀬者不渡而 由久遊久登 恋痛吾弟 乞通来祢
丹生の河瀬は渡らずてゆくゆくと恋痛きわが背いで通ひ来ね


 大津皇子の悲劇を見てきた友人の長皇子は皇弟の弓削皇子に死ぬことはないよという救助の歌を詠んでいます。
 悲劇は宿命のように創りだされていくのでしょうね・・・


 謎解き拾い読みに嵌ったら脱出不能の状態です。
 恋の陥穽に嵌っても脱出不能ですね。
 凡愚不能老仁の言葉恋遊びは不毛ですから、その気になればいつでも時空転換できるから好いのですけれどね。





 秘したるも魅惑に揺らぐみどりの夜   仁


 老いの幹にも狂い花咲け






★ 。・。・゜♪゜・。・。★ 都々逸で交心 ★ 。・。・゜♪゜・。・。★





☆☆☆ 唯呼さんの『 恋気配♪~ 』 への都々逸交心です。 ☆☆☆
 





★ 都々逸で交心v13t062601

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めくる一枚心も咲ける 濡るる雨夜の乱れ髪

――★♪♪★―――――――――――――★♪♪★――







 > ・ こんな雨夜にゃきっと来る筈
               めくる一枚 恋気配~   唯


     めくる一枚心も咲ける
                濡るる雨夜の乱れ髪   仁


                ぬしに焦がれてほとめく芯の
     せつなく清し精交り   仁


     恋の気配に心も澄みて
                娘心に涙する   仁













 夢に幻る銀河の果ての魂交じり   仁


 念じ銀河も手繰り寄せける


 妄想都都逸遊びもらいます。
 Happy気分に酔わせてくださいね。


                徒花も咲け独り酒酌む
      外は土砂降り梅雨ごもり   仁


 独り酒徒花も咲け梅雨ごもり   仁


 幻に添う妖女もありき





★ 。・。・゜♪゜・。・。★ 青柳仁リンク ★ 。・。・゜♪゜・。・。★



★★★ 優游575交心v13t062403『 面影に黒髪を梳く合歓の花 』 へどうぞ!!! ★★★
 


★★★ 万葉集を遊ぶ交心v13t061606『 一茶忌を姦しきほど鳴く蛙 』 へどうぞ!!! ★★★
 



★ 。・。・゜♪゜・。・。★ そのまんま575で交心 ★ 。・。・゜♪゜・。・。★


  


Posted by 青柳仁 at 20:12Comments(0)弓削皇子

2013年07月10日

『 あたしゃなんでも燃え尽きるのよ 生半可など寄せはせぬ 』

★ 。・。・゜♪゜・。・。★ 万葉集をあそぶ交心 ★ 。・。・゜♪゜・。・。★





★ 妄恋575v13s071006

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今生は不倫禁足白木槿

――★♪♪★―――――――――――――★♪♪★――






万葉集02ー0122 大船の はつる泊の たゆたひに 物思ひやせぬ 人の子ゆえに  弓削皇子


 【仁訳】 船が港に停泊して揺れつづけるように、わたしもあの人のことを思うたびに、思い悩み揺れつづけてきてしまったよ。人の妻を恋してしまったばかりにこんなにも痩せてしまったのに、まだ思いきることもできないでいる。このまま愛しつづければ、殺されるかもしれないというのに。


 紀皇女は自由奔放な女性だったというのを紀皇女の歌で想像してみますけれど、万葉集には二つしか掲載されていません。


 万葉集03ー0390 軽の池の浦廻ウラミ行き廻ミる鴨すらに玉藻の上にひとり寝なくに   紀皇女


 万葉集12ー3098 おのれゆゑ詈らえて居ればあお馬の面高夫駄に乗りて来るべし   紀皇女


★★★ 優游575交心『 青梅雨の青のくさみに戻らする 』 へどうぞ!!! ★★★
 


 弓削皇子の111番の歌で想像できるような女性であれば、性の奔放さ故に、『日本書紀』には記述されることなく闇の人にされてしまったのでしょう。天武天皇の皇女でありながら『日本書紀』に記載されないのは不名誉な事実を持っていたからでしょう。
 文武天皇の后でありながら不倫の恋をいくつも遊んでいる紀皇女の事跡は抹消するしかなかったのでしょうね・・・

 額田王もあれだけの実績を残しながら『日本書紀』に名前もあがらないのは藤原政権に不都合な存在だったからなのでしょう・・・
 その額田王に恋の相談をしたのが弓削皇子の111番歌だったのでした。


 今生は不倫禁足白木槿   仁


 無漏路の恋に禁足はなし


 あるいは紀皇女を抹消しなければ、文武天皇の正妃として紀皇女が居坐ってしまうと、今は宮子にぞっこん惚れ込んでいる文武天皇もまた紀皇女の魅惑の虜になってしまうかもしれません。藤原不比等は紀皇女を妃の地位からも排斥したのでしょう。


 弓削皇子を生きるべきか死ぬべきかで恋に悩み苦しめ、痩せ衰えさせた紀皇女がどんなに魅惑的な女性であったのか想像力を掻き立てられますね。
 妄恋言葉あそびで紀皇女の恋を遊んでみたくなります。
 女の魔力を知り尽くしていた不比等は、不比等戦略の最大の武器として活用したんです。
 己自身の性も最大活用したのでしょうけれど・・・


 突きぬけて天上の恋花海棠   仁


 悲恋の罪の花咲かせ魔女


 その紀皇女の魅惑に増して、文武天皇を魅惑の虜にした藤原宮子はおそらく不比等によって徹底的に教育調教された美姫だったのでしょうね・・・





★ 。・。・゜♪゜・。・。★ 都々逸で交心 ★ 。・。・゜♪゜・。・。★








★ 都々逸で交心v13t062503

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あたしゃなんでも燃え尽きるのよ

生半可など寄せはせぬ   仁

――★♪♪★―――――――――――――★♪♪★――






 > ・ よせよ云われりゃ愛しい人よ
          あたしゃなんでも聴くわいな~   唯呼


          あたしゃなんでも燃え尽きるのよ
     生半可など寄せはせぬ   仁


 今のままの師匠で最高ですよ。
 在るがまんまの素直さが開かれていて活き活き躍動しています。師匠自身は全力投球でしょうけれど、これと決めたら拘らない寛容さがうらやましい。
 鄙老仁は江戸っ子というのを知りませんけれど、粋っていうのは、師匠のような気風をいうのでしょうね。身についたお洒落がすてきです。


     生な女を突きぬけて
           自遊気ままがまんま粋   仁


           一喜一憂袂に入れて
     惚れたあんたに紐を解く   仁


 桐の花迷いは恋の余計者   仁


 念じるままに唯驀地


 ただただ唯礼賛、ご寛容ください。





★ 。・。・゜♪゜・。・。★ 青柳仁リンク ★ 。・。・゜♪゜・。・。★



★★★ 言葉あそび575交心v13s070901『 謄謄と襤褸着て歩く水田縁り 』 へどうぞ!!! ★★★
 


★★★ 都々逸で交心v13t062303『 粋な女の心の彩は おまえならでは生きられぬ 』 へどうぞ!!! ★★★
 



★ 。・。・゜♪゜・。・。★ そのまんま575で交心 ★ 。・。・゜♪゜・。・。★

  


Posted by 青柳仁 at 23:19Comments(0)弓削皇子

2013年07月05日

万葉集を遊ぶ交心『 露草や自遊な恋は移ろわず 』




★ 。・。・゜♪゜・。・。★ 万葉集を遊ぶ交心 ★ 。・。・゜♪゜・。・。★







★ 万葉集を遊ぶ交心v13s070413

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露草や自遊な恋は移ろわず

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 > 万葉集04ー0583 月草のうつろひやすく思へかも我が思ふ人の言も告げ来ぬ  大伴坂上大嬢


 あなたが愛してきた露草のようにすぐに色あせてしまう人たちと同じように、わたしのこの恋心も移ろいやすいそんな女だと、あなたはわたしのことを思っているのでしょうね。だからあなたはわたしに声もかけてはくれませんね、と大嬢は怨み言を詠っています。
 けれど大嬢は、まだ幼くて恋のことも判らず、そんな家持をさびしい人だと思っているのでしょう。その思いは、恋について大嬢を思い悩ませるようになっていきます。
 あなたを思うわたしの恋はいつまでたっても色あせるような儚いものではありませんよ。ほんとうの恋を知ったならもうそんなにあちらこちら虚しく移ろうこともなくなるでしょうに。わたしは本気であなたに恋をしているのだから、わたしに声をかけてこのわたしの思いを受けいれ、ほんとうの恋をふたりで分かち合いましょうよ。

 大嬢は恋多き女で有名な坂上郎女の娘で、大伴家持の従妹です。幼馴染みで仲良かったのでしょうね、色男の家持にぞっこん惚れていたようです。
 実はこの歌は娘の心持ちを母の坂上郎女が代作してやったものだそうです。当時は歌を詠めなかったら男を振り向かせることもできなかったのですから、まだ幼くて歌の詠めない大嬢は家持に思いを告げることもできず悩んでいたのです。
 そんな娘を見かねた母は甥の家持にあんまり遊びすぎないでそろそろうちの娘も構ってやりなさいよ、とお説教しているのでしょう。家持はこの叔母さんの坂上郎女に恋の手ほどきを授けられているんです。坂上郎女恋歌の名手ですからね・・・


 露草や自遊な恋は移ろわず   仁


 命のままを分かち合いけり


 そんな坂上大嬢を後に正妻にしてそれからはたくさん大嬢との想い出を詠っています。


 > 万葉集18ー4114 なでしこが花見るごとに娘子らが笑まひのにほひ思ほゆるかも   大伴家持


 河原撫子の花を見るたびに、あの美しくも微笑ましかった頃のあなたのことをいつも想い出していますよ、と越中に赴任している家持は、都に残してきた大嬢を愛おしんで歌を贈っています。花作りも好きで、庭に百合や撫子の花を植えて楽しんでいたようです。
 軍事部門を預かってきた最も古い氏族の頭領ですけれど、歌の心を大切にしてきたんですね。その古い心が新興勢力の藤原一門の一党独裁体制から抹殺されていくことにもなるのでしょう。無実でしたけれども、謀反の首謀者にも仕立て上げられていくことにもなるんです。藤原体制に異議を申し立てるような告発を内蔵した万葉集も封印されて仕舞うんです。


 大やまと心探さん青田風   仁


 わが産土に見る田のかんさ


 古代の大地の神々と共存する牧歌的な万葉的な世界は大伴家持をもって終わりを迎えたといってもいいのでしょう。いわば真に日本的な大和の心は終焉を迎え、虚構された絶対神の天皇制と藤原支配の法体制が権力闘争を拡大反復する殺人の時代に突入していきます。

 女は美しく美しく作りあげられていくのです。自分の娘が天皇の皇子を身ごもることが藤原権力の最大の戦略となったのでした。
 藤原宮子はこうして探し出され、作りだされていった最初の女性だったのでしょう。


 元の野に帰せ撫子カミの里   仁


 花は秘やか草生いしげる




 歴史は根源的に人権尊重の思想と法体制を創造してきたにもかかわらず、絶対神の天皇制と藤原支配の法体制に依拠する金権至上主義の妄者たちは、核商売と再軍備の構築を策動し、殺人の世紀を増強させています。
 人の命は地球よりも重いを心に刻んできた人間にとっては堪えがたい世となってきました。


★ 優游575交心v13s070407

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現身の身の遠ざかる西日かな

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 > 真実の何色隠しサングラス   遊呼


 在る物は又どこかに現る   仁


 遊呼さん、いつもあい風交心ありがとうございます。
 交心は世界の窓口です。
 梅雨ごもりの身でも交心によって色々の世界を目の当たりに遊泳できることはこの上なくHappyです。


 古もこの世も観ませ返り梅雨   仁


 無漏路の楽土知れば遊ばん


 > くらくらとたそがれ駅に降り立てば見知らぬ景色顔のあふれる   遊呼


 日々今や異邦の邦にあるごとく奇怪なりしも面白きかな   仁


 現身の身の遠ざかる西日かな   仁


 よみがえる時なくも肯う





★ 。・。・゜♪゜・。・。★ 青柳仁リンク ★ 。・。・゜♪゜・。・。★


★★★ 都々逸で交心v13s070408『 好きと云うなよ心の誠 火傷するまで触れさせよ 』 へどうぞ!!! ★★★
 

★★★ 筑紫路を歩くv13x030701『 おぼろ月自然がカミの世を偲ぶ 』 へどうぞ!!! ★★★
 



★ 。・。・゜♪゜・。・。★ そのまんま575で交心 ★ 。・。・゜♪゜・。・。★


  


Posted by 青柳仁 at 22:25Comments(0)大伴家持

2013年06月27日

優游575交心『 青梅雨の青のくさみに戻らする 』

★ 。・。・゜♪゜・。・。★ 万葉集を遊ぶ ★ 。・。・゜♪゜・。・。★





 > 万葉集02ー0111 古尓恋流鳥鴨弓絃葉乃三井能上従鳴渡遊久
 【訓】 古に恋ふる鳥かもゆづるはの 御井の上より鳴き渡り行く
 【仁訳】 あの鳥は古を慕うのでしょうか。ゆずり葉の清らかな御井の泉の上を鳴きながら飛んでゆきます。

 【訳2】 また逢いに行くんだな。長々と行列をなしてさ。飛鳥から吉野川までを(または、「三代」を)つなぐ上様のシンガリに、ろばは遊び半分のろのろ付いて行ってるさ。   。。。李寧熙による韓国語訓の訳


 持統天皇が吉野宮に行幸した時、随行した弓削皇子が昔を懐かしんで、おばあちゃんの額田王に贈った歌です。譲り葉の新緑の繁っている宮滝の御井の泉の上をほととぎすが鳴きながら飛んでいくのに巡り遇って、吉野からはじまった父天武天皇の偉業を懐かしく想い起こしているのでしょうね。今は世の中が変わって秘やかに棲んでいる額田王おばあちゃんを慰めてやろうと、今吉野に来ていますよ。鳥も昔の幸せだった頃を懐かしんで飛んでいきます、と詠んで贈ったのですね。

 額田王は16才の頃、天智天皇にその才と美貌を買われて大海人皇子に臥し寝女としてあてがわれ、大海人皇子に気に入られて妃になったのでした。弓削皇子が恋い焦がれている紀皇女も軽の皇子の臥し寝の女として妃にされてしまっているのでした。額田王と紀皇女とはその境遇がよく似ていたのです。恋に悩む弓削皇子は、to be or not to be、ハムレットのように煩悶する日々を送っていたのでしょう。
 紀皇女を文武天皇の后にしてしまったのは持統天皇の謀です。その悩みの種を作った持統天皇に随行して吉野に来ているのです。
 複雑な心境ですね・・・


 虚仮の世の救いは恋か苔の花   仁


 命捨てても残せ面目


 どうしたことでしょうね。この頃持統天皇は頻繁に吉野行幸を繰り返しているのです。遊びなのか、陰謀を張り巡らせているのか・・・
 李寧熙さんの韓語訓みによると、弓削皇子は持統天皇の密会につき合わされて辟易している歌と解釈されるそうです。額田王もその事情を知り尽くしているのでしょう。
 その返歌には、本当に救いがたい女ですよ。今に身を滅ぼすことでしょうと冷ややかに応えています。だからあなたも用心には用心を重ねて、逸る心は確り抑えて、命取られないようにしてくださいね。わたしだって忍従して潜んで暮らしているんです。
 譲り葉が新しい芽に取って代わるように、古い持統天皇の世はもう終わるでしょう。若いあなたたちの世代が新しい世の中を創りださなければならないのですよ。あなたのお父さんが理想とした世の中を創りだしてくださいね。


 苔の花生きもうけして早九年   仁


 明日知らねど満ち足りて在る





 
★ 優游575交心v13t062609

――♪♪♪♪―――――――――――――♪♪♪♪――

青梅雨の青のくさみに戻らする

――♪♪♪♪―――――――――――――♪♪♪♪――






> 煩悩を洗い流せや梅雨滂沱   遊呼


 滂沱の涙流すが如く   仁


 遊呼さん、いつもあい風交心と励ましありがとうございます。
 読んでくれる人が居るとお喋りも弾みがついてHappyです。
 悪のりして顰蹙物にならないようにとも念じながら交心575楽しませてくださいね。


 青梅雨の青のくさみに戻らする   仁


 青のまんまの老春もあれ


 弓削皇子は恋の悩みをおばあちゃんの額田王に歌で問いかけましたけれど、やはり死を賭した恋に嵌っていることには気がついていたのでしょうね・・・


 > 万葉集02ー0111 幸于吉野宮時弓削皇子贈与額田王歌一首
 【原文】 古尓恋流鳥鴨弓絃葉乃三井能上従鳴渡遊久
 【訓】 吉野の宮に幸しし時、弓削皇子、額田王に贈る歌一首
 古に恋ふる鳥かもゆづるはの 御井の上より鳴き渡り行く
 【仁訳】 古を慕う鳥でしょうか、ゆずり葉の御井の上を鳴きながら飛んで行く鳥は。


 > 万葉集02ー0112 額田王奉和歌一首
 古尓恋良武鳥者霍公鳥蓋哉鳴之吾念流其騰
 
 【訓】 額田王、和へ奉る歌一首 大和の都より奉り入る
 古に恋ふらむ鳥はほととぎす けだしや鳴きし我が念えるごと
 【仁訳】 その古を恋い慕うという鳥はほととぎすですよ。そうですよ、鳴き渡って行ったでしょうね。わたしもあのころを恋い慕って念いに耽っていますよ。

 【訳2】 A表訓みの訳:恋をしに宮滝に行くんですって。まったく反逆ものですよ。今こそ彼女もつらくて泣くことでしょう。まるで子供を恋しているようなもんですからね。
 B裏訓みの訳:恋の行為をした「武」に逢いに行くんですって。逆入れするのでしょう。今こそ彼女の肉体も泣くのでしょうね。私の恋の時のように。   。。。李寧熙の韓国語訓みの訳


 弓削皇子は、状況を知っているおばあちゃんの額田王に、今ぼくはあの不如帰が恋しさに狂い鳴くように、幼友だちの紀皇女を恋したって泣き明かしています。でも紀皇女は文武天皇の后になってしまっているのです。文武天皇は宮子さんに惚れ込んで紀皇女のことなんか放ったらかしにしてあの人を寂しい思いにさせているんですよ。いっときもじっとしておれなくなるんです・・・

 それに対して額田王は、わたしもねえ、あなたのお父さんを恋い慕っていた幸せな時を今でも忘れませんよ。人を愛するってそんなに切ないことなのよ。でもね、わたしは持統天皇に睨まれているから、じっと耐え忍んでいるの。大津皇子のこともあるでしょ。あなたもわたしのようにじっと耐え忍ぶようにしなさいね。じっと待って、時の流れが変わるのを待ちましょうね。


 弓削皇子は聡明な青年で、父を尊敬もしていたようですから、念いの強さは父譲りなのでしょう、父の真似をしてしまったのかもしれません。しかしまだ若い青年です。父のように深い謀はまだできません。持統天皇への反抗心が目に見えてしまうのでしょうね。
 26才の若さで突然死んでしまいます。
 おそらく不比等に消されたのでしょうね・・・
 不比等にとっては、文武天皇の存続を危うくさせる存在は許せないことなんです。
 宮子に文武天皇の子どもを産ませて、天皇の外戚になって王朝の陰の支配者になることのできるチャンスが目の前に迫っているんです。


 陥穽は魅惑の宝庫蓮の花   仁


 平穏願えど幸は捨て得ず


 一箇の人間の無力さをつくづく思い知らせるような悲劇が日本の創生期の歴史に充満しています。そのシステムは洋の東西を問わず営々と継承されてきているのですね・・・
 スポーツ界のスキャンダルも同じシステムの中の人間の欲情の一角でしょう。

 謎は尽きません。
 李寧熙さんの韓語訓みが成り立つとすれば、文武天皇も持統天皇の愛人になってしまうんです。天武王朝までは韓語が日常語だったのでしょうね・・・

 弓削皇子も額田王も自遊に韓語を操っていたようです。
 柿本人麻呂は新羅の文武王の子どもだったという説もあるのですからね・・・それが人麻呂の悲劇にもつながっていくのでしょうか・・・

 機密漏洩が知れると刺客に狙われるんです。


 荒梅雨や美言は虚言默は金   仁


 鄙隠りにも正邪の纏う


 またまた迷宮に填り込んでしまいました。
 ご寛容ありがとうございます。

 おやすみなさい。いい夢を。





★ 。・。・゜♪゜・。・。★ 青柳仁リンク ★ 。・。・゜♪゜・。・。★



★★★ 優游575交心v13t062409『 合歓の花よく歓んでよく眠れ 』 へどうぞ!!! ★★★
 


★★★ 徒然575交心v13t062102『 巫女憑きの老骨に咲け合歓の花 』 へどうぞ!!! ★★★

 



★ 。・。・゜♪゜・。・。★ そのまんま575で交心 ★ 。・。・゜♪゜・。・。★


  


Posted by 青柳仁 at 21:12Comments(0)弓削皇子

2013年06月17日

海原の藻屑の夢よ夏の月



★ 。・。・゜♪゜・。・。★ 万葉集を遊ぶ交心 ★ 。・。・゜♪゜・。・。★







★ 万葉集を遊ぶ交心v13t061703

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海原の藻屑の夢よ夏の月

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 遊呼さんより交心をもらい関心事の万葉集をあそぶをひきつづき楽しませてもらいました。調子に乗った甘えを寛容願って無駄事の饒舌の児戯です。つい夢中になって時を忘れてしまいます。


 スローライフ迷宮遊ぶ五月闇   仁


 心優しき物の怪に遇う


 額田王の出自もよく分からないままですけれど、推古天皇の縁で宮廷人の教養を身につけ、斉明天皇にその才知と巫女力を認められて宮廷歌人の道を歩みはじめたようです。その才知と美貌が大海人皇子にも見初められて、大海人皇子との幸せな愛の蜜月がつづいていたようです。


 老いの身となりて知りぬる人模様誰に語らん虚仮の古   仁


 大海人皇子より年上らしく、斉明天皇により「添い臥し」として大海人皇子の最初の妃となったという話もあるそうです。ともかく斉明天皇の代わりに歌を詠んで宮廷歌人としてのデビュウーを16歳前後に成し遂げた才女の誉れ高い女性だったのですね。
 推古天皇の縁があるということは、斉明紀のデビュー当時には、出自もはっきりしていたのでしょうし、明確な記録も残っていたのでしょうけれど、持統王朝の『日本書紀』成立によって、日本書紀の記述に反する文物は一切抹消されたし、異議を唱える者は皆抹殺されるか、懐柔されたのでしょう。
 謀反の嫌疑を背負ったまま死んでいった家持の『万葉集』が残っていたのは奇跡だったのでしょうね・・・


 老いの身をしみじみ眺め味わいぬ産土鄙の里の夕暮れ   仁


 平穏是好日。ちっご平野に生を得て70年、善いことも悪いこともほどほどに平穏無事を生かしてもらえた幸運につくづく感謝しています。真似良寛さんも楽しませてもらいながら、生きもうけ、まだ万葉集まで遊ばせてもらえる老いの身を、ただただ喜びつつスローライフの流れにのって大海原の泡と消えていけそうです。


 海原の藻屑の夢よ夏の月   仁


 風吹きわたり雲は流るる





★ 優游575交心v13t061606

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一茶忌を姦しきほど鳴く蛙

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> 雨空を蟇泣く為に生まれけり   遊呼


 鳴くもあそびと戯るる業   仁


 いつもあい風交心ありがとうございます。
 沖縄は梅雨明け、九州はやっと雨模様となりました。雨乞いするように蛙の大合唱もあっています。


 鳴き技に恋の駆け引きあるごとし   仁


 鳴かぬ技には雲雨もなかり


> 万葉集 足引きの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかもねん   人麻呂


 山鳥は昼間は雄と雌一緒に暮らしながら、夜になると、峰を挟んで別々に寝るんだそうですね。若し恋し合っている雌雄の鳥だったらなんと過酷な習性なんでしょうね。これも自然の摂理で、遺伝子の戦略に拠るのでしょうか・・・

 万葉集ではこの歌は作者不詳らしいですけれど、訳あって会うことも許されない男と女の悲恋が秘められていると読み込まれて、その男の心情の切なさが見事に詠まれていると評判になり、こんな巧みな歌を詠める者は人麻呂をおいてないだろうというので人麻呂作になり、百人一首にも入れられて、有名になったようです。

 独り寝の男の秋の夜長を五七五七全部を使って詠みこんだ技巧の巧みさに感動したのでしょうね。この長い長い夜を一人で寝る男の夢はどんなものなんでしょうね・・・

 何も具体的なことが詠まれないことによって、読む方に、様々な想像力を湧出させる力を持っているんです。その想像力を楽しむのが宮廷文化の本流であり、その歌を作る力、文化力が舞と並んで宮廷遊戯の花だったようです。
 言葉あそびの技が競われたのですね。


 蛙にも鎬を削る競い在り   仁


 声小さくばひとり寝まりぬ


 言葉あそびの技が評価されるには、宮廷人の共通の想像力を駆り立てる内容が、周知のこととして内蔵されていなければなりません。
 ということは、人麻呂自身も、叶わぬ恋をしている当事者として、宮廷人に知れ渡っていた事実があるということでしょう。あるいは人麻呂がそういう周知の事実のある人を詠みこんでいるということでしょう。

 額田王の<茜さす紫野行き標野行き>の歌は宮廷行事の宴の席で絶賛されました。
 この歌が絶賛されるのはこの歌の背景に宮廷人の関心事である現実あるいは歴史的事実が公然と詠みこまれており、しかもそれが遊戯化されて、返歌によってさらに無化されていく面白さにあるんです。
 さて大海人皇子はどう返すだろうという宮廷人の緊迫した空気が漲っていく中で、大海人皇子の返歌がまた遊戯化されて緊迫した空気を無化し、どっと拍手喝采を浴びるんですね。


 井の中の蛙夢見る夢在りや   仁


 老いて井の外脱ける術無し


 額田王は、大海人皇子との愛に満たされた日々を捨てて、十市の幸せを夢観るようになったのかもしれないという想像を楽しむこともできるんです。陰謀の渦中にあって、その陰謀の罠として嵌められた額田王は、己を捨てて、十市の生き残りに夢観る力の全てを注ぎ込む巫女力をフル稼働しました。
 天智天皇が勝っても、大海人皇子が勝っても、十市の将来が保証される勝負に挑まなければなりません。


 大海人皇子は見事に額田王の仕掛けた罠を跳ね返しました。
 おばあちゃんになってもおまえの美しさは衰えないね。そんな魅力に溢れているおまえをどうして憎むことがあろうか。おまえのその美しさと巫女力はぼくにはまだ欠かせないんだよ。十市のこともぼくに任せていいよ。十市も高市皇子のことを気にしているようだからね・・・


 強い巫女力を持っていた額田王は天智天皇の陰謀の全てをその渦中にあって観てきました。斉明天皇の悲劇も観てきました。おそらく大海人皇子に期するところが大きかったのだろうということも想像できます。


 苦労人の大海人皇子は斉明天皇存命中は忍従もしてきましたけれど、白村江の戦い以降の中大兄皇子の陰謀にはもう忍従の限度を越してしまっていたのでしょう。公然と喧嘩を仕掛けたこともありました。知将の鎌足の仲裁でその場は治められましたけれど、悪くすると内乱状態に陥ったかもしれない情勢だったようです。


 独り寝の夢想は尽きず梅雨の闇   仁


 命懸けには遠き世で在れ


 一茶忌を姦しきほど鳴く蛙   仁


一茶神社を祭るが如き




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★★★ 仁の万葉集を遊ぶ交心v13t060101『 虚仮の世は真夏の夢よ遊ばんか 』 へどうぞ!!! ★★★
 


★★★ 都々逸で交心v13t060301『 嬉し恥ずかしあんたの嘘に あたしゃ心もまる裸 』 へどうぞ!!! ★★★
 



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Posted by 青柳仁 at 21:44Comments(0)柿本人麻呂

2013年06月04日

瘋癲老仁妄句『 七変化拘り超えて恋遊戯 』


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★ 瘋癲老仁妄句v13t060409

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七変化拘り超えて恋遊戯

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 >・ 黄身と白身は 揺られて哀し
              熱い湯の中 離しゃせぬ~   霧呼


              熱い湯の中五右衛門なれど
    地獄の釜も厭やせぬ   仁


 再びしりとり都々逸に耽り込んでいます。
 思いっきり自在に耽溺できて、無為老仁には妄想妙適の異時空遊泳です。少欲自足のスローライフには最適の方便でしょう。


   きみに揺られて蜜吸う蜂を
              羨み妬みつ独り酒   仁


 > 万葉集04ー0560 恋死なむ後は何せむ生ける日のためこそ妹を見まく欲りすれ


 万葉の世も今の世も、煩悩に変わりはありませんね。
 煩悩を歓喜に変え、スローライフの老の仙人風楽しみにバージョンアップする知恵を備えられると、死にとうないの一休さん風狂も真似できるかもしれません。
 言葉あそびに過ぎなくても、<妹を見まく欲りすれ>の念を遊泳できれば、枯木に花を咲かせることもできるでしょう。


 古の恋の寛さよ七変化   仁


 その行く末も遊べ追憶

 
> 万葉集04ー0564 山菅の実成らぬことを吾に依そり言われし君は誰とか寝らむ   坂上郎女


 妻問い婚ですから、男は女の家に遊びに行くんです。夫に会いたくても思った時に会いに来てくれるわけではない。足が遠のくこともしばしばでしょう。女はやきもきし、男は屁理屈こねあげる。地位を維持し、あるいは立身の欲を満たすためには女の家は大きな地盤です。舅に睨まれたら飛んでもない破目に落ちるかもしれない。宮廷人の結婚は打算の産物だったようです。それだけに悲恋も多く、また恋愛遊戯も多いのでしょう。割り切りと開き直りもマインドコントロールの知恵だったのでしょうね・・・
 歌が詠めなかったら、恋愛遊戯社会から脱落していくしかなかったようです。
 坂上郎女は万葉集で3番目に収録歌の多い宮廷歌人だそうです。家持の叔母さんで、大伴家の巫女的な存在だったともいいます。家持と計らって万葉集も編纂したのかもしれません。陰謀渦巻く男社会の中を生き抜く坂上郎女の才知と強かさを読み取っていくのもおもしろそうですけれどね・・・


 七変化拘り超えて恋遊戯   仁


 妖気も湧いて老死も忘るる





★ 都々逸で交心v13t060201

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嬉し恥ずかしあんたの嘘に あたしゃ心もまる裸

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☆☆☆ 霧呼さんの『 艶な都々逸大好きなのさ♪~ 』 へのしりとり都々逸交心です。 ☆☆☆
 



 >・ 来るか来ないか花摘みそぞろ
              嬉し恥ずかし 傘ん仲~   霧子


              嬉し恥ずかしあんたの嘘に
    あたしゃ心もまる裸   仁


    下手な都々逸色香もなくて
              釣られるあたしゃ恋ぐるい   仁


              同じ傘なら触れ合う仲さ
    いっしょに見ようよ閨の夢   仁





★ 。・。・゜♪゜・。・。★ 青柳仁リンク ★ 。・。・゜♪゜・。・。★



★★★ 仁の万葉集を遊ぶ交心v13t060101『 虚仮の世は真夏の夢よ遊ばんか 』 へどうぞ!!! ★★★
 


★★★ 優游575交心v13v053007『 紫草やなりきり巫女の詩詠まん 』 へどうぞ!!! ★★★




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Posted by 青柳仁 at 22:48Comments(0)写真俳句

2013年06月03日

『 いつの世も子らに光を五月富士 』万葉集を遊ぶ交心


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★ 仁の万葉集を遊ぶ交心v13t060203

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いつの世も子らに光を五月富士

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★★★ 仁の万葉集を遊ぶ交心v13t060101『 虚仮の世は真夏の夢よ遊ばんか 』 のコメント4、5への交心です。 ★★★
 


 雲人さん、花人さん、いつも交心とサポートありがとうございます。
 大半の人々はもう二度と戦争はしたくないと思っているのでしょうけれど、主権在民が十分に行使されていない現実がありますね。マスコミに煽動されて劇場政治家が多産されて風潮は止まりませんね。

 未消化のままの時事問題拾い読みの楽しみを遊ばせてもらっています。凡愚老仁も世間が狭くて、知らないことばかりですけれど、知ればやはり色々のこと考えさせられますね。けれどもう現実的な行動の何もできない境遇になってしまいましたので、つい若い頃の煩悶を想い出し、懐かしくなって、追憶の時空にワープして、観自在、若い頃の煩悶の老仁をそのまんま現在の時事問題に逆ワープさせて自問させる言葉あそびを遊泳させてもらっています。謎解き遊びにも熱中していますので、ワープしてきた若いまんまの凡愚老仁を謎の人麻呂と重ねて、何か<希望>らしきものを見つけだせればHappyだろうなぁという気がしています。善悪是非に拘らぬ無漏路遊びも知りましたので、無意味な言葉あそびでも十分楽しめますけれど、不真面目と糾弾されても受容するばかりです。
 鄙の瘋癲老仁の児戯と笑殺くださいね。
 それでも、祈りとしては、未来の子どもたちに自然と恵みの豊かなままの水の惑星を受け渡せるように念じつづけています。


 いつの世も子らに光を五月富士   仁

 蛙も鳥も自然のままに


 > 万葉集03ー0304 大君の 遠の朝廷と あり通ふ 島門を見れば 神代し思ほゆ   人麻呂


 人麻呂が詠んだ「遠の朝廷」は「神代」への懐古の歌です。神代といわれた古にはもっと平和で豊かな人々も安心して暮らしていける、神々と共存する世界があったなぁ。それに比べて今はどうだ。朝廷は陰謀の巣窟となり、官人たちは権力争いに鎬を削り、私腹を肥やし、淫らな欲望に耽溺するばかりだ。こんな朝廷に誰がした、と糾弾しているのでしょう。
 それでは切実に人麻呂が回帰願望を抱く「遠の朝廷」とはいつ頃のどんな「朝廷」だったのでしょうね・・・ヒューマニスト人麻呂はきっと、上関原発に反対した島の人たちの豊かな海と大地を守るため命を賭した林宮司と同じように、人と自然と神々が共存する「神代」の世界を知っていたのでしょうね・・・。


 一茶また終の棲家にカミを観き   仁


 山川草木カミ棲まぬなし


 遠賀在住の奥野正男さんの邪馬台国講座を受講していたのですけれど、病というネアンの旅に迷い込んでしまいましたので、頓挫してしまいました。その講座で、「島門」が遠賀川河口にあることを学びました。その南方の六ケ岳には天照神社があるんです。そして北の麓には長谷寺があり、国宝の十一面観音があるそうです。奈良の長谷寺よりも古いそうですから、ここに古い都があったのかもしれませんね。人麻呂はこの古い都を「遠の朝廷」と詠んで懐かしんだのではないかと思います。
 万葉集で一番長い長歌は高市皇子を礼賛していますけれど、この高市皇子は大海人皇子の第一子で、母は筑紫の宗像徳善の娘で尼子娘という人です。筑紫の有力な海人族です。母の身分が低かったので皇太子にはなれませんでしたが、その豊かな人徳で、後皇子尊とも呼ばれ、持統天皇の下でも太政大臣にまで登りつめることができた人です。ヒューマニスト人麻呂が礼賛する気持ちがわかりますね。海人族の和の心が遺伝し継承しているのでしょう。
 それにしてもどうして天武天皇は大海人皇子と呼ばれ、中大兄皇子に恐れられていたのでしょうね?遠賀川縁の六ケ岳周辺にはたくさんの物部氏の地名が分布しているそうです。遠賀川東岸の香月の地名は葛木ともいい、葛城氏が類推されます。ここに王朝があったとしても不思議ではない気がします。大海人皇子はこの筑紫王朝の後継者だったのかもしれません。蘇我入鹿の子だったと推量する人もいるようですけれど・・・『日本書紀』によって封印された歴史の封印が解かれる世の中になることを念じています。



※   写真は富呼さんより、  お借りしています。


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★★★ 優游575交心v13v053007『 紫草やなりきり巫女の詩詠まん 』 へどうぞ!!! ★★★




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Posted by 青柳仁 at 22:57Comments(0)柿本人麻呂

2013年06月01日

虚仮の世は真夏の夢よ遊ばんか

★ 。・。・゜♪゜・。・。★ 仁の万葉集を遊ぶ交心 ★ 。・。・゜♪゜・。・。★






★★★ 優游575交心v13v053007『 紫草やなりきり巫女の詩詠まん 』への交心です。 ★★★





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★ 仁の万葉集を遊ぶ交心v13v053101

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五月闇気がつけばもう明日もなし

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 雲人さん、いつも交心とサポートありがとうございます。
 花人さんと比べてもらうと後が続けられなくなるほど恥じ入ってしまいます。万葉集もまだまともに読んだことのない幼稚な凡愚老仁の妄想言葉あそびです。真偽も是非も分からず、見識もないままの妄想ひとり言葉遊びの慰戯です。
 それにしても人間はどうしてこうも同じ人間を殺せるのでしょうね・・・
 人を殺してはいけないというのは洋の東西を問わず戒律となっているのでしょうけれど、有史以来の人間の歴史は人殺しと戦争の歴史ですね。建国の歴史は殺戮の歴史です。人は英雄談を崇拝しますけれど、英雄というのは皆殺人者なんですよね。勝てば官軍で、正義も勝者のものです。天智天皇なんて陰謀の権化のような人ですね。天皇家は親子兄弟殺し合ってきました。則天武皇も持統天皇も殺人者です。米国は銃社会になってしまっている。米国の建国はネイティブアメリカン殺戮の歴史だった。現代もその延長です。

 十市皇女の悲劇はそんな権力闘争の犠牲ですけれど、人間の心情はこれを見過ごすことは出来ないもので、色々な人がこの現実を告発してきたのでしょう。そしてたくさんの告発者が闇に葬られていったのでしょう。柿本人麻呂もそういう告発者の一人だったようです。人麻呂の歌は解明不能の謎を残したままの句が多いようです。
 額田王はそんな中でかなり長く生き延びているらしい。十市の悲劇をどう超克していったのでしょうね・・・

 この迷宮は卑弥呼の迷宮と同じくらい好奇心全開です。凡愚老仁の想像力の及ばない世界です。学問の世界でもタブー閾があるんですね。『日本書紀』を無化するような学問もあるのでしょうけれど・・・


 五月闇気がつけばもう明日もなし   仁


 真偽も知らず楽しむ齢


 殺人に荷担はせぬと花菖蒲   仁


 誰に勝つとはなくて花愛ず







★ 。・。・゜♪゜・。・。★ 仁の万葉集を遊ぶ交心 ★ 。・。・゜♪゜・。・。★





★ 仁の万葉集を遊ぶ交心v13t060101

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虚仮の世は真夏の夢よ遊ばんか

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★★★ 仁の万葉集を遊ぶ交心v13v053103『 五月闇気がつけばもう明日もなし 』のコメントよりのつづきです。 ★★★
 


 交心の跳躍台に弾まされて、羞じらいもなく妄想言葉あそびで万葉集を楽しませてくださいね。


 『 日本書紀 』の世界は天武天皇の正統性を立証する正史のようですけれど、その内実は持統天皇の天智王朝への回帰の陰謀であり、現人神としての持統王朝の創生でもあったのではないでしょうか。その持統天皇の秘められた夢を構想したのが藤原不比等だったのでしょう。その藤原不比等の内実は現人神天皇を祭り上げて、その政治権力を藤原闇権力が掌握する官僚政治体制を構築したのではないかと夢想してみるんです。藤原摂関政治体制は反対勢力は容赦なく抹殺したのでした。その妖魁が中臣鎌足でしょう。中大兄皇子は自分の野望を満たすために鎌足の権謀術数に填り込んでいったのでしょう。


 虚仮の世は真夏の夢よ遊ばんか   仁


 無明を脱けて唯吾独存


 > 春過ぎて 夏来るらし 白栲の 衣干したり 天の香具山   持統天皇


 藤原宮に立って、律令体制も整え、持統天皇が羽衣伝説に則って自らを現人神として中央集権国家を樹立した達成感をこめて持統王朝を宣言した歌だと読む人もいます。これも政略結婚で大海人皇子に嫁いだ時からの幻想遺伝子の戦略かもしれませんね・・・大海人皇子に天皇位を奪われることを予知した中大兄皇子の政略結婚に託した戦略というわけです。王朝妖怪遺伝子の戦略という漫画的妄想の観念遺伝子を想定してみました。


 罪もなし仁の妖怪蜥蜴の子   仁


 木下闇にて夢想遊泳


 > 万葉集01ー0048 ひむがしの 野にかぎろひの立つ見えて かへり見すれば 月かたぶきぬ   人麻呂


柿本人麻呂の代表的な万葉秀歌です。壬申の乱の高市皇子を詠んだ長歌があり、天武天皇に理想を夢見た人麻呂ですから、当時の政治情勢は具に見てきたのでしょう。理想がかき消されていく現実を黙って見過ごすことのできないヒューマニストの慟哭を詠んだ歌が多くなってきます。持統天皇と藤原体制に絶望しはじめたのでしょうか。謎々に暗号化された歌になっていくそうです。その謎解きを追ってみたくなっています。


 > 万葉集03ー0266近江の海 夕波千鳥 汝が鳴けば 心もしのに いにしへ思ほゆ   人麻呂

 > 万葉集07-1304 天雲のたなびく山に隠りたる我が下心木の葉知るらむ   人麻呂


 そして現代もなお藤原史観遺伝子を継承する妖怪がが出没しているようです。同じ構造で暗殺の歴史がくり返されているんですね。
 乙巳の変は鎌足の陰謀であった。その鎌足の陰謀の遺伝子が不比等に継承され、今も子々孫々継承されてきている。そういう政治権力が国体という幻想理念を創出したという言葉あそびの世界を妄想するのも無漏路の瘋癲老仁の楽しみですなんですよ。根拠もない戯れ言ですから、笑い飛ばしてくださいね。


 人麻呂も神となりけり夏の海   仁


 暗号解いて冥福祈れ


 類想すれば、世界の歴史にはフリーメーソン史観というのがあるそうです。国家を喪失し世界中に離散したユダヤ人が影の組織者かもしれません。自由と平等、世界平和が基本理念で、国際連盟、国際連合もこの理念で創出されました。理想と現実の乖離が政治の闇です。

 ヒトラーは600万のユダヤ人を殺戮し、日本軍は南京虐殺、米軍はベトナムでジェノサイドを実力行使した。数万発の原爆があり、今なお核拡散の趨勢は大きくなっている。被爆国日本が核保有を正当化しはじめている現実を誰も止めることができない。・・・
 予定調和の世界は絵空事になってしまったんでしょうね。


 虚仮の世を超えたか星の王子さま   仁


 狐も観えぬ妖怪遊べ


 ≫ 脅迫がたんに言 葉のうえのことではなく、実行への気配が日々濃厚となっていく。親ドイツ熱、 反イギリス熱で国民はカッカとなり、挙国一致そのままにまとめられてしまう。 この勢いに反するものは非国民となるのである。
昭和日本ではいつのころからか暗殺ということが英雄的行為となった。専制 君主が絶対の権力で君臨していて、これをのぞくことが立派な行為であった という中国の歴史に、日本人が親しんでいらいのことだろうが、昭和の日本 にはそのような圧政者などいなかった。にもかかわらず、浜口雄幸、井上準 之助、団琢磨、犬養毅、そして二・二六事件の斎藤実、高橋是清とつぎつぎ に要人が殺害されている。テロの目標とされた人をあげれば牧野伸顕、一木 喜徳郎、美濃部達吉、湯浅倉平、西音寺公望、鈴木貫太郎と穏健派と目さ れる人すべてである。日本の政治史とは暗殺史ではないかと思わせられる。 そして調べて情けなくなるのは、暗殺が国家にとってつらい損失であるにもか かわらず、犯人が英雄視されるのが普通、というだけではなく、なぜか世論 がそれを是認することであった。それを望んでいたといってもいい声や動き が、世の中にひろくあることである。

 孫引きですが、永井荷風の詠嘆だそうです。
 
 現在も事情は変わらないようですね。闇の権力、陰謀に立ち向かう者は、闇に葬られる。その前の脅しの段階でギブアップさせられてしまうんです。2002年に「爆弾発言」で闇世界に挑んだ民主党衆議院議員の石井紘基さんは世田谷区の自宅駐車場で包丁で左胸を刺され右翼の一人に殺されました。背後の闇権力は何一つ明らかにならないまんまです。
 司法権力も闇支配の傘下にあるのでしょうね・・・


 英雄を好む世論か五月雨る   仁


 関せず焉の風流奇譚


 ≫ 法律上の最高権限を持つ神社本庁の代表役員が神社地の売却を承認することにでもなれば、それは自らが制定した法規を自分の手で破壊することであり、神社本庁自体の瓦解を意味しよう。
 瀬戸内海地域に暮らす多くの人々を塗炭の苦しみに陥れる、人間の生死にかかわる問題を、いったい誰が責任をとるというのであろうか。これが犯罪でないならば、世の中に犯罪というものはない。 ≪   。。。山口県上関町 八幡宮宮司 林春彦手記 2002年5月「現代農業」増刊号


 これは上関の林宮司の死を賭した告発であり、神社本庁が原発マニアに荷担して日本の神々を抹殺してきたことの証左でしょう。翌年林宮司は偽の「退職願」によって解任され、神社本庁は原発賛成の宮司を任命したのです。林宮司は訴訟を起こしましたが、2007年3月突然倒れて亡くなりました。原発マフィアの犯行ではないかと憶測されています。
 日本国政府の神々の抹殺を告発した林宮司は「手記」を次のように結んでいます。

 ≫ 一木一草のなかにまで霊的な生命の存在を認めるのは、ひとり神道の思惟のの根本形式ばかりでなく、ひろくアジア的世界に生きてきた人々の素朴な観念でもあった。仏教においても、殺傷を厳しく戒めている。神社もまた宮辞としての戒律こそないが、目的とするところは、まったく同じであるといえよう。生きとし生けるものの尊き生命と豊かな自然にまさるものはない。鎮守の森や神社域なるものは、その根本の理念にかんがみても、現代に生きる者たちのためにのみ存在するのではなく、遠い祖先より受け継ぎ、未来の子々孫々に伝えゆくべきものなのである。≪   。。。同上

 上関町の人々と共に暮らしてきた人の素朴なスタンスでしょう。神々を畏れ敬い、自然の恵みと脅威の中で、支え合い、補い合い、連帯して共存してきた人々の共同の素朴な信仰でしょう。自然と共生して命のシンクロし合う世界と文化が日本だったのではないでしょうか・・・そしてこの世界は林宮司がいうように<現代に生きる者たちのためにのみ存在するのではなく、遠い祖先より受け継ぎ、未来の子々孫々に伝えゆくべきものなのである>のです。この青い豊かな水の地球は未来の子どもたちから借りているものだと凡愚老仁は信じています。
 この青い豊かな水の地球を豊かなままに未来の子どもたちに返さなければなりません。
 放射能の時代を到来させてはなりません。
 過ちは二度と繰り返してはなりません。
 総理大臣が原発売人として世界に売り回り、核武装も辞さない風潮は、これが本当に日本の進むべき道なのか、良識を失わずに、ひとり一人が問うていかなければならない責務ではないでしょうか。


 交わりし蜥蜴の安堵木下闇   仁


 恐れ知らぬは命の自然


 驕りと犯罪の蔓延する宮廷人の現実に絶望した人麻呂は人々が自然と神々を敬い共存する古の世界への回帰を願望し、現体制を告発しはじめたのではないかと想像します。人麻呂が回帰願望したその古の世界はどんなものだったのでしょうね・・・


 水底を恋しがりしか蝸牛   仁


 吾も知りたや古人のルーツ






★ 。・。・゜♪゜・。・。★ 青柳仁リンク ★ 。・。・゜♪゜・。・。★



★★★ 仁の万葉集を遊ぶv13v053007『 紫草やなりきり巫女の詩詠まん 』へどうぞ!!! ★★★



★ 。・。・゜♪゜・。・。★ そのまんま575で交心 ★ 。・。・゜♪゜・。・。★



  


Posted by 青柳仁 at 23:34Comments(0)柿本人麻呂

2013年05月30日

『 紫草やなりきり巫女の詩詠まん 』



★ 。・。・゜♪゜・。・。★ 優游575交心 ★ 。・。・゜♪゜・。・。★








★ 優游575交心v13v053007

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紫草やなりきり巫女の詩詠まん

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 > 三諸之 神之神須疑 已具耳矣自得見監乍共 不寝夜叙多
 みもろの神の神杉かむすぎ已具耳矣自得見監乍共寝いねぬ夜ぞ多き   万葉集1ー0156 高市皇子

三諸(みもろ)の 神(みわ)の神(かむ)すぎ[杉] よそ[外]のみに を[愛]しとは見監(み)つつ 共寝(い)ねぬ夜(よ)ぞ多(おほ)き   河人さんの訓み


☆☆☆ 河人さんの『 『万葉集』を訓(よ)む(その239) 』 へどうぞ!!! ☆☆☆
 


 十市皇女は678年突如宮中で亡くなってしまうんですね。生年月日も死亡日も不明のままで、謎解き迷宮の一つです。折口信夫さんは26才、梅原猛さんは32才と推理しています。
 高市皇子の歌は、その十市皇女の死を悲しみ、愛おしむ歌ですけれど、その十市皇女は自分が殺した大友皇子の妃なんです。十市皇女の複雑微妙な出生と政略結婚の立場が読み込まれているのでしょう。
 十市の皇女の悲劇は、シェークスピアの悲劇仕立てに構成されているようです。この悲劇を仕組んだ者たちの告発が万葉集編者の史観なのでしょう。
 高市皇子を賛美する柿本人麻呂の真意は誰を告発しているのでしょうね・・・


 高市皇子と十市皇女は異母兄妹です。幼馴染みとして親愛の情も深かったのでしょうね。恋が芽生えていたのかもしれません。しかし天智天皇は十市の母の額田王に横恋慕してしまった。中大兄皇子と大海人皇子は異父兄弟です。大海人皇子もその出生は秘密です。『日本書紀』は天武天皇の正統性を主張する正史であるのにその出自も封印されているんです。
 神格化された天皇を創出するためには神話と正史が創作されなければなりませんでした。神話の系譜を継承するためには出自は封印されなければならなかったのです。
 乙巳の変によって天皇になった天智天皇は経緯はこれも封印されたまま額田王を妃にしました。そして十市皇女を大友皇子の妃にするんです。大海人皇子を懐柔しつつ天智王朝の継承に全力を投入している陰謀が渦巻いているのでしょう。つまりは大海人皇子の信望と勢力が絶大なものであったことの反証でしょうか。


 またまた、謎解きの迷宮に嵌ってしまいました。ご寛容くださいね。
 言葉あそびの種作りの楽しみなんですけれど、遊びの本流が見失われては言葉あそびになりませんね・・・


 夏の夜を愛ヲしとは見つつ移ろいき   仁

 末摘花の色に出るまま


 > 行くすえは 誰が肌ふれむ 紅の花   芭蕉

 老いてなお見よ無漏路の恋路   仁


 昼顔や気怠さに咲く徒の花   仁

 空虚は命狂おしむるや



 と遊びに移ろわなければなりませんけれど、迷宮遊泳の魔力の方が牽引力が強くて、又引っ張り込まれています。
 なりきり遊びの習性で、十市皇女の心象時空を遊泳してしまいます。母を額田王に持ったことにどう向き合ったらいいのか煩悶する少女の十市が気になりますね・・・
 寂聴さんに描いてもらいたいところですけれど・・・
 その十市の悩みを目の当たりにして額田王の煩悶も大きくなるばかりです。額田王には額田王の世界が構築されなければなりません。政略結婚という王権争奪闘争の渦中にあって、現実を超克した個の世界を創りださなければ現実に翻弄されるばかりです。人間らしく生きたいという人間性の萌芽を額田王の作家意識の中に発見できそうな面白さもあるんです。その苦闘を目の当たりにした十市も又ミラーシナプスのシンクロによって人間らししく生きる道を自ずから辿ることになるのでしょう。
 人の心も情も、そして生き方も、昔も今も変わりないのではないかと思います。


 紫草ムラサキやなりきり巫女の詩ウタ詠まん   仁


 笑い飛ばさん面子の鎧





★ 優游575交心v13v051801

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海底に夏の月あり誰ぞ知る

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☆☆☆ 遊呼さんの『 夏色に染まればあきの訪れて移ろひゆくは人も月日も 』 への交心です。 ☆☆☆
 





 > 夏色に染まればあきの訪れて移ろひゆくは人も月日も   遊呼


 移ろいのゆらぎの夕べ夏色の思いの糧に風吹く渚   仁


 海底に夏の月あり誰ぞ知る   仁


 夜の裏にも日は在るものを


 夏の月転んで臑の伴なりき   仁


 無垢なるままの月壁に掛く


 梅雨の入りのつれづれ言葉あそび、よろしくご寛容ください。
 









★ 。・。・゜♪゜・。・。★ そのまんま575で交心 ★ 。・。・゜♪゜・。・。★

  


Posted by 青柳仁 at 16:33Comments(0)額田王