2013年05月30日

『 紫草やなりきり巫女の詩詠まん 』



★ 。・。・゜♪゜・。・。★ 優游575交心 ★ 。・。・゜♪゜・。・。★


『 紫草やなりきり巫女の詩詠まん 』





★ 優游575交心v13v053007

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紫草やなりきり巫女の詩詠まん

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 > 三諸之 神之神須疑 已具耳矣自得見監乍共 不寝夜叙多
 みもろの神の神杉かむすぎ已具耳矣自得見監乍共寝いねぬ夜ぞ多き   万葉集1ー0156 高市皇子

三諸(みもろ)の 神(みわ)の神(かむ)すぎ[杉] よそ[外]のみに を[愛]しとは見監(み)つつ 共寝(い)ねぬ夜(よ)ぞ多(おほ)き   河人さんの訓み


☆☆☆ 河人さんの『 『万葉集』を訓(よ)む(その239) 』 へどうぞ!!! ☆☆☆
 


 十市皇女は678年突如宮中で亡くなってしまうんですね。生年月日も死亡日も不明のままで、謎解き迷宮の一つです。折口信夫さんは26才、梅原猛さんは32才と推理しています。
 高市皇子の歌は、その十市皇女の死を悲しみ、愛おしむ歌ですけれど、その十市皇女は自分が殺した大友皇子の妃なんです。十市皇女の複雑微妙な出生と政略結婚の立場が読み込まれているのでしょう。
 十市の皇女の悲劇は、シェークスピアの悲劇仕立てに構成されているようです。この悲劇を仕組んだ者たちの告発が万葉集編者の史観なのでしょう。
 高市皇子を賛美する柿本人麻呂の真意は誰を告発しているのでしょうね・・・


 高市皇子と十市皇女は異母兄妹です。幼馴染みとして親愛の情も深かったのでしょうね。恋が芽生えていたのかもしれません。しかし天智天皇は十市の母の額田王に横恋慕してしまった。中大兄皇子と大海人皇子は異父兄弟です。大海人皇子もその出生は秘密です。『日本書紀』は天武天皇の正統性を主張する正史であるのにその出自も封印されているんです。
 神格化された天皇を創出するためには神話と正史が創作されなければなりませんでした。神話の系譜を継承するためには出自は封印されなければならなかったのです。
 乙巳の変によって天皇になった天智天皇は経緯はこれも封印されたまま額田王を妃にしました。そして十市皇女を大友皇子の妃にするんです。大海人皇子を懐柔しつつ天智王朝の継承に全力を投入している陰謀が渦巻いているのでしょう。つまりは大海人皇子の信望と勢力が絶大なものであったことの反証でしょうか。


 またまた、謎解きの迷宮に嵌ってしまいました。ご寛容くださいね。
 言葉あそびの種作りの楽しみなんですけれど、遊びの本流が見失われては言葉あそびになりませんね・・・


 夏の夜を愛ヲしとは見つつ移ろいき   仁

 末摘花の色に出るまま


 > 行くすえは 誰が肌ふれむ 紅の花   芭蕉

 老いてなお見よ無漏路の恋路   仁


 昼顔や気怠さに咲く徒の花   仁

 空虚は命狂おしむるや



 と遊びに移ろわなければなりませんけれど、迷宮遊泳の魔力の方が牽引力が強くて、又引っ張り込まれています。
 なりきり遊びの習性で、十市皇女の心象時空を遊泳してしまいます。母を額田王に持ったことにどう向き合ったらいいのか煩悶する少女の十市が気になりますね・・・
 寂聴さんに描いてもらいたいところですけれど・・・
 その十市の悩みを目の当たりにして額田王の煩悶も大きくなるばかりです。額田王には額田王の世界が構築されなければなりません。政略結婚という王権争奪闘争の渦中にあって、現実を超克した個の世界を創りださなければ現実に翻弄されるばかりです。人間らしく生きたいという人間性の萌芽を額田王の作家意識の中に発見できそうな面白さもあるんです。その苦闘を目の当たりにした十市も又ミラーシナプスのシンクロによって人間らししく生きる道を自ずから辿ることになるのでしょう。
 人の心も情も、そして生き方も、昔も今も変わりないのではないかと思います。


 紫草ムラサキやなりきり巫女の詩ウタ詠まん   仁


 笑い飛ばさん面子の鎧





★ 優游575交心v13v051801

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海底に夏の月あり誰ぞ知る

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☆☆☆ 遊呼さんの『 夏色に染まればあきの訪れて移ろひゆくは人も月日も 』 への交心です。 ☆☆☆
 





 > 夏色に染まればあきの訪れて移ろひゆくは人も月日も   遊呼


 移ろいのゆらぎの夕べ夏色の思いの糧に風吹く渚   仁


 海底に夏の月あり誰ぞ知る   仁


 夜の裏にも日は在るものを


 夏の月転んで臑の伴なりき   仁


 無垢なるままの月壁に掛く


 梅雨の入りのつれづれ言葉あそび、よろしくご寛容ください。
 









★ 。・。・゜♪゜・。・。★ そのまんま575で交心 ★ 。・。・゜♪゜・。・。★




Posted by 青柳仁 at 16:33│Comments(0)額田王
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